ピアノの練習をする、と一口にいっても、
たくさんの方法があります。
これまでも、
最初から最後まで一通り弾くのではなく、
部分練習をする。
基礎練習をする。
などをご紹介してきました。
あと、レッスンをしていて気になるのは、最初からじゃないと弾けない、という場合です。
これには二つの特徴があって、
・気持ち的に最初から弾かないと、気が済まない。
・最初からの流れじゃないと、分からなくなる。(途中からだと、音が分からない)
のどちらかになります。
どちらにしても、途中で間違えると、最初に戻ってしまい、同じところで間違えると、また最初に戻る、の繰り返しになってしまうのが、問題です。
ここで、“間違える”とは、スムーズに次の音に指がいかない、違う音を弾いてしまうことをさしています。
その間違える原因は、次の音が何か良く分かっていない、分かっていても、鍵盤の位置がよく分かっていない、分かっているけれど、指が迷ってしまう、など考えられます。
なので、間違えた場所を繰り返し練習せずに、最初に戻ってしまうと、結局同じことの繰り返しになってしまい、改善されません。
そのときに、その間違えた箇所、正確にはその前後の流れを繰り返して、正しい音を弾けるように部分練習をします。
途中から弾くことにとても抵抗があるのは、完璧主義であることが多いように感じます。完璧主義は悪いことではありませんが、完璧に弾くために部分練習をするので、本番など、ここぞ!という時に、完璧主義を発揮するのは良いと思います。
ただ、どういう演奏を完璧とするかという定義が必要でしょう。
これはとても重要な点ですので、
いずれ演奏における完璧についても書いてみたいと思います。
そして、もうひとつの特徴である、最初からじゃないと、音が分からなくなるから、途中から弾けない、というのも大変問題です。
これは指が覚えてしまっている状態です。体で覚えるものだから、指で覚えるのは良いのでは?と思うかもしれませんが、この状態の時は、音楽に集中できていないことがほとんどです。どこか上の空で、別のことを考えながら弾いているでしょう。
それが習慣になってしまうと、
本番など、緊張の場面では、急に頭が真っ白になる危険性があります。
それは、今まで無意識に弾いていたのが、急に意識下で弾くことになるからです。
ムカデが、いつも深く考えずに足を動かすことができるのに、一旦、どうやって動いているのかを考え出したら、急に動けなくなったという話を聞いたことはありませんか?
それと同じで、舞台では、いつもの環境と違うので、いろんなことが起こります。急に「あれ?次の音、なんだったっけ?」と意識し始めると、普段無意識で弾いている場合は、パッと分からなくなることが多いです。
だから、普段の練習から、集中することが大事ですが、どこからでもサッと弾けるようにすることが解決方法です。
これは暗譜するためにも有効です。
この方法で暗譜できれば、安心して本番に望むことができます。
曲がだんだん長くなってくると、最初からじゃないと気が済まない等とは言ってられなくなるので、その頃には、途中から弾くことも、抵抗がなくなってくるでしょう。
そうして、レッスンを続けていきながら、心のこだわりもほぐされて、程よい完璧主義になっていきます。
ちょっと長くなりましたが、
曲のどこからでも、サッと弾けるようになると、良いことばかりですので、ぜひ挑戦してみてください。
完璧主義については、後日ゆっくり書きたいと思います。
2024年01月20日(土) │ おすすめの練習方法
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