歌詞があると、
歌詞を頼りに表現の方法を考えることはできますね。
ピアノ曲のように、
歌詞のない音楽を表現することに
苦手意識のある方は多いのでは?
私も高校生ぐらいまで、
どうやって、何を表現したら良いのか
よく分からず弾いていました。
楽譜に書かれている強弱や楽語、
和音の種類、調性など
知識として知っていることはたくさんありますが、
それを表現に繋げるには・・・
そういう具体的なことを知ることはできませんでした。
それこそ、感性というか、
才能がある人ができることだと思っていたので、
限界を感じていました。
だからテクニックに偏ってしまうんでしょうね。
どんなに小さな曲でも
音色や表現にこだわってレッスンするようにしています。
ただ楽譜に書かれた音符を
音に変化させるだけのゲームには
ならないように最初から気を付けます。
音を表現するときには
抽象的なことを表現するのかと
思っていましたが、
意外と、驚くほど詳細に具体的なイメージをもって演奏します。
強弱のバランスも、
自分が出せる強弱の幅を数字で考えることもあります。
例えば強弱記号
pp~p~mp~mf~f~ff
この6段階とします。
ppはゼロだと音が無くなってしまうので、
20%とします。
pだいたい30%
mpは約40%
mfは50%
fは65%
ffは80%
と、自分の持てるパワーを配分してみます。
そうすると、
クレッシェンドでは力配分を考えて
およその強弱を決めます。
クレッシェンドの意味は
だんだん強くする。ですが、
どの辺りでどのくらいまで強くするかを考えます。
というように、
細かく決めて演奏するのです。
また、全体の流れを考えるときには
物語を作って場面ごとに設定を考えます。
一曲のなかで、雰囲気が変わるところ、
調性が変わるところ、
などなど映画のようにシーンを考えます。
すると、左手のリズムは何を表しているのか考えやすくなります。
↑物語を考えてくる宿題で、
実際に書いてきてくれました。
思いがけない言葉や、
イメージを共有して
それを表現するにはどうしたらいいのか
一緒に考えます。
すると、
楽譜に書かれている強弱の意味がよく分かり、
なぜそこに、その記号が必要なのかも
分かってくるようになります。
ただ弾いているよりも
数倍楽しくなるようで、
あーでもない、
こーでもない、と自分で工夫しながら
楽しそうに演奏するようになります。
同じ曲でも、
物語はそれぞれなので、
個性を大事にするということは、
この部分ではないかと思います。
先生が一方的に
fだから強く弾きなさい!
クレッシェンドだからだんだん強くしなさい!
では、本当の表現にはなりません。
思いどおりに表する、
イメージどおりの音色を出すためには、
自分の思いどおりに動く指やからだが必要です。
だから、基礎が大事です。
それがだんだん理解できるようになってくると、
基礎の練習も熱心にやってくるようになります。
100日チャレンジで基礎をしっかりできるようになってきて、
その変化を本人が感じることで、
より意欲が増しているようです。
2021年01月17日(日) │ レッスン風景
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