ピアノは、他の楽器と違って
決まったところを押さえれば
いつも同じ音が出るから
音を出すのはとても簡単です。
でも、鍵盤の数は88と、
オーケストラの音もカバーできるほど
幅があり、
同時にたくさんの音も出せるので
10本の指をフルに使うのが
本当に大変な楽器です。
そのうえ、音のバランスや
音色にまで気を配らないといけないので
弾きこなすまでには
かなりの時間を必要とします。
私自身は3歳からピアノを習っていて、
どうやって弾きかたを覚えたのか
全く覚えていません。
おもちゃのピアノを買ってもらって
アニメの歌などを弾いていた記憶はあります。(習う前だったのでしょうか????)
音符を読むのは苦労した覚えがあります。
学生時代から教えることを始めましたが、
最初は本当にどうやって教えてあげたら良いのか難しく感じました。
音符と鍵盤の場所を教えてあげても
なかなか弾けるようにならないからです。
それからいろいろ試行錯誤しながら
分かってきたことは
脳と指の連携のスピードが
ポイントだということです。
楽譜の音符を見て、
何の音が判断し、
それを指に伝えて
どこの鍵盤を押すのか
どのくらいの力か、
音を聞きながら
そして、弾いている瞬間は
次の音を見ている・・・
どんな経路をたどって音を出すのか
書いてみると、
とても複雑なことを
同時進行し、
それを複数の音の分やるわけだから
情報処理のスピードが問われます。
レッスンでは歌うことを重要視していて、
とにかく歌います。
最初は知っている歌から始めて、
だんだんとドレミで歌えるようにしていきます。
音符を見てドレミで瞬時に歌えるようになることが、最初の目標です。
どうして歌が大事かというと、
音符を見て、ドレミが瞬時に分かること、
音には高さがあるので、
その高さを自分で出せるようにすることで、
鍵盤に置き換えたときに
どこの鍵盤を使うのか分かります。
例えば、読み方はドでも、
高さによって鍵盤の場所が違うので
音程を正確に歌えるようにすると、
どこの鍵盤を使ったら良いか分かります。
ドレミが分かっても、
鍵盤の場所が正確に分からなければ
指を動かすことができません。
時間をかけ、何回も繰り返して
指の動きを覚えていきます。
そこで歌えることが重要です。
歌うことで脳からの指令を
はっきり指に送ることができます。
歌わずに弾いている場合は
集中しているようで
意外と違うことを考えていることがあります。
「難しいなぁー」
「できるかなぁ」
「まだ最後までいかないなぁー」
「長いなぁー」
私も思い当たることがありますが、
これからの考え事はピアノのことを考えているので
本人としては
集中しているのです。
しかし、弾くことに関してとなると
違うことを考えていますよね。
弾くことに集中するとは
歌うことなのです。
頭のなかはドレミだけにする必要があります。
心の中で強く歌わないと
指への連携がスムーズにいきません。
できるかなぁー
難しいなぁー
大丈夫かなぁー
と、考えているうちは
その考えている方に引っ張られて
できない、
難しい、
大丈夫じゃない
状態に持っていかれます。
大丈夫、
できる!
と思って、歌に集中することで
できるようになっていきます。
ですから、
なんとなく音符読むのが苦手だなと
感じる方は、
スピード感をもって
音符を読んだり、
集中してドレミで歌うことを
徹底してみてください。
単音だけ分かっても弾けるようにはなりません。
いくつかまとまった音符を
スピード感をもって分かるようになり、
指を動かすことに繋げていけば
必ずできるようになります。
このブログで何度も書いていますが、
言葉を学ぶのと同じように、
何度も繰り返すことが大事です。
ひらがなの50音を覚えたときのことを
思い出してみましょう。
“あ”から”ん”まで
50音表を見ながら何度も口に出して
言いました。
それから、簡単な単語を覚えました。
そして短い文章を読みながら
書き方も同時に習いました。
習った単語や文章を参考にして、
自分で文章を作りました。
それと全く同じプロセスです。
脳から指への連携という視点でとらえてみると、
ピアノは才能ある人だけができるものではなく、
だれにでもできるものだということが
分かりますね。
とにかく最初は量をこなすことです。
2021年01月25日(月) │ ブログ
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