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表現力の元になるものは?

表現力がある

表現力が無い

 

そもそも表現力とは?

 

「喜びを表現しましょう」

先生が言ったとします。

どう表現しますか?

 

表現についてよく分からなかったとき、

こういう場合は

喜んでいるところを想像して、

その光景にピッタリくるように工夫する

これで精一杯でした。

 

確かに、自分が喜んでいるところを想像するのは良い方法です。

まずそこがないと、喜びって何?ですね。

では、どんな状況で自分が喜ぶのかを考えたら、次に考えるべきなのは、

喜んでいるように聞こえる音を探すことです。

一番苦労した

 

「音色」

の問題です。

 

この音色についての考えは、

お恥ずかしいことに全くありませんでした。

 

自分で音色を作る、と聞いて、

分からなかったのです。

 

なんとなく弾いていたから

楽譜通りに演奏してるつもりでも

つまらない演奏になっていたのです。

 

この音色を作るためには、

いろんな音色を聞き分けることが必要です。

それをレッスンで先生が何回も見本を見せてくれて、

聞かせてくれて、

ようやくその音色を耳がキャッチしてくれるようになったのです。

そうなってから自分で音色を弾き分けられるようになります。

 

そして、この音色を聞き分けるには、

いろんな感情を経験していることが大事です。

 

優しい音色を求められているのに、

優しいってどういうことなのか

経験していないと

表現できません。

 

小さい頃から、友達と遊ぶ時間も無く

ピアノの練習ばかりしていた話しなどを

聞く機会がありますが、

子どもの時期には

子どもらしい時間の過ごし方も大事です。

勉強や習い事も大事かもしれませんが、

それを極めた先にあるものは

人間性です。

どんな人間かが問われるのです。

人間力を磨くことが

表現力を磨くことになります。

 

安心してのびのびと

自分を表現できる場がなければ

どんなに豊かな心を持っていたとしても

引き出すことは難しいでしょう。

 

機械のように

テクニック重視で演奏することは簡単です。

 

毎日を送るなかで、経験すること全てが

表現に繋がっています。

外へ出て、自然を感じたり、

お友だちと楽しく遊んだり、

喧嘩もして嫌なことも経験したり、

体を思いきり動かしたり、

 

そう考えると

ピアノを弾くということは

からだの機能的な部分と

心の部分とありとあらゆる

要素をまんべんなく働かせることだと

改めて気づかされます。

 

だから一朝一夕で身に付けることが

難しいですね。

ピアノに関しては

成長のスピードには個人差があるので、

長い目で取り組んで、

指先だけで弾くことを覚えるよりも、

人間力を磨きながら

身に付けていることをおすすめします。

 

 

 

この時期になると思い出すこと

今年は大学院を卒業して

ちょうど20年になります。

その頃産まれた子が、成人式を迎えました。

 

中学生の頃、一度挫折し、

音楽を辞めてから、

どうして大学で音楽の道に進んだのか

質問されました。

 

大学の入試は2月の始め。

ちょうどこの時期は受験のために

必死に勉強していました。

 

高校では音楽を絶対にやらないぞ!と

心に決めて普通科に進んだのに、

合唱部へ入り、

細々ながら音楽を続けていました。

自分としては不本意だったので、

あまり熱心な部員ではありませんでした。

時々、伴奏などもしていたので、

親のすすめもあり、

学校の近くで通える教室に通っていました。

 

その頃は、

弾きたい曲を弾く程度でした。

 

それで、高校3年の12月、大学へは医療関係にすすむつもりで数学や生物を勉強していました。

 

息抜きのつもりで

NHKのN響アワーという番組があり、

ラフマニノフのピアノコンチェルトが聴きたくて、番組を見ていました。

最後のコーナーで著名人が音楽にまつわるエピソードを語る時間があるのですが、

そこに、今は亡き、日野原先生が出演されました。

 

音楽療法について話しているのを聞き、

医療の分野で、音楽も貢献できることがあるんだと、とても感銘を受けました。

しかし、12月も半ばを過ぎているので、進路を変更するなんて一ミリも思わず、看護の勉強をしながら音楽療法も勉強すれば良いかもしれないと、そのときは思っていました。

 

次の週、ピアノのレッスンにいったときに、ピアノの先生から、

「音楽療法っていうのがあるけど、あなたどう?医療の勉強もいいけど、音楽の勉強が先の方が良いのでは?」

と、言われました。

 

とても魅力的な分野だとは思っているけれど、今から進路変更して間に合うのか?

 

先生は、音楽の勉強を先にした方が良い、ということで、急遽音楽療法を勉強できる大学を受けることにしました。

 

もうお正月、というころに、

大学のピアノの先生を紹介してもらい、

受験の準備を始めました。

 

約1ヶ月。

実技はもちろん、楽典やソルフェージュ、急いで、本当に必死でした。

 

こんなに急いで急転換してしまって

大丈夫なのか・・・・

合格してから不安がよぎり、

いまいち気分が晴れませんでした。

 

あんなに音楽を辞めたいと

挫折して、傷ついていたのに、

4年間大丈夫かな?

 

だんだん学生生活にも慣れてくると、

友人にも恵まれて、

本当に楽しい毎日で、

音楽について、

何も分かっていなかったことがよく分かり、

なぜ挫折したのか、

どうして練習が嫌だったのか、

どうすればよかったのか、

結局、ピアノをもう少し勉強したいと、

大学院にすすむことになりました。

音楽療法を勉強していくうちに、

小手先のテクニックよりも、

音楽をもっと極めないといけないと感じました。

 

あのころ、勇気を出して

進路を変更したこと。

高校の先生には笑われましたが、

思いきってすすんでよかった。

大学で学んだことが

今も私の基礎になっていると感じます。

 

一月は必死で受験勉強していた頃を毎年思い出します。

 

 

勢いで弾けるか?

音楽には流れがあります。

川の流れにもにたような感じです。

不思議なもので

テンポは同じでも

その流れがあるかどうかで

印象が全然変わってきます。

どんなにゆっくりな曲でも

流れがあれば、長く感じずに

あっという間に終わる感じ。

逆に、ゆっくりな曲で流れが止まってしまうと

まだ終わらないのかなー?と、

とても長く感じます。

 

人間の感覚は不思議ですよね。

 

音楽毎にちょうど良いテンポがあって、

それがぴったり合ったときは

大変気持ちよく演奏できます。

 

そして似たような言葉に

“勢い”があります。

もちろん音楽にも勢いが必要なときがあります。

音楽を進ませる力とでも言えますね。

曲の持っている勢いを表現するのは

素晴らしい事です。

しかし、あやふやな部分を勢いで弾いてしまうことは

なんだかとても不安です。

 

曲のある部分でとても細かい音符でテンポも早く、一瞬で終わるような部分です。

主に半音階が主となり、

両手で半音階を響かせつつ、

中の細かい音も半音階で下りてきます。

 

とても細かい音符だし、

テンポも早くなるし、

おそらく自分で弾いていても

正しい流れで弾けているかどうか

分かりかねます。

 

そもそも音も合っているのか。。

 

ひとつひとつの音を確認するのは

意外と面倒に感じるものです。

ましてや何となく最後まで弾けている場合、細かい指示をどれだけみているか、

とても気になるところですね。

 

細かい音符で早く弾くときには

勢いが必要ですが、

音やリズムがあやふやな時は

勢いで弾くととても危険です。

 

どう危険かというと、

ハッと何か気になったとき、

今自分はどこの場所を弾いていたんだろう?と

分からなくなることがあります。

頭の中が真っ白になって、

どこからやり直していいものか、

何の音だったか、

自分でもびっくりするほど抜けてしまうのです。

 

普段から勢いに任せて

多少音がグチャッとなっても気にせず

練習して気分になっていると

本番では冷や汗ものです。

 

ここは面倒くさがらずに

ひとつひとつの音を確認し、

暗記で言えるようにする必要があります。

 

なんとなく弾いているように見える

ピアニストも

驚くほど詳細に音を覚えて

歌えるようにしていると思います。

 

歌えないと弾けないし、

歌えるようにしか弾けないのです。

 

だから、日頃からしっかり歌って弾くようにしている人にとっては

本番はそんなに緊張もしないでしょう。

 

全ての音をクリアに覚えることは

最初は面倒に感じるでしょう。

しかしよく楽譜を見てみましょう。

同じようなパターンでできているところはありませんか?

このパターンをいかに見つけられるかが

暗譜を楽にしてくれますし、

弾きやすくしてくれます。

 

指だけで覚えないようにしましょう。

 

勢いだけでは絶対に安心して弾けません。

本番では何が起こるか分かりません。

客席から急にくしゃみの声などが聞こえてくるかもしれないし、

ライトが眩しく感じながら弾かないといけないかもしれないし、

いつもの部屋で弾いているようには

いかないのが本番です。

 

そこで集中するには

歌うことなのです。

勢いに任せず、確実に弾けるようにして

本番に望めば、

いつものような演奏ができるでしょう。

 

 

ハノンで計算が早くなる?

100日チャレンジ87日目。

いよいよゴールが見えてきました。

我ながらよく続いています。

ここまでくると、

続けるのは大変だ、とか、

続けられなかったらどうしよう、など

ネガティブな気持ちよりも、

ゴールしたときの気持ちを考えると

ワクワクしてきます。

 

振り返ってみても

あまり大変という印象はなく

書くことにも困らずに

自分でも思ってた以上に

できるんだなぁと驚きました。

 

ブログやSNSを毎日続けるのは大変です。

と、よく聞くけれど

とにかくやってみないと

大変かどうかも分からないのでは?

と、今なら思います。

 

さて、先週ぐらいから

100日チャレンジやってみたい!と

手を挙げてくれた子がいます。

私が始める頃に一度誘ってみたものの、

んーーーー渋ってそのままでした。

毎月書いている教室のお手紙に

他のおともだちの途中経過などを書きました。

その影響もあるのか?

おともだちの変化を知って、

やりたくなってくれたようで、

その子は

毎日ハノンを弾くチャレンジをスタートしました。

 

お母さんから早速その後の様子を

教えてもらうと、

毎朝5分程度ハノンを弾くようになって、

頭がシャッキリして

計算が早くできるようになったそうなのです!

 

ハノンで計算が???

 

ハノンは指の独立のために

とても有効なテキストですので、

ハノンを続けて

すらすら指が動くようになった、

良い音が出せるようになった、

という変化はよく聞きますが、

計算が早くなったとは初めて聞きました。

 

指先を使うことは

脳をたくさん働かせることになります。

ピアノを弾くときには

脳のいろんな部分を同時に使わなければいけないことを実感します。

 

車の運転に似ています。

 

慣れてくれば自然にアクセルを踏んだり、

ブレーキに足を伸ばしたりできますが、

慣れるまではぎこちない動きになりますよね。

それに知っている道なら

前もって曲がる角や信号の場所など

余裕をもって準備できますが、

初めての場所で、目的地を探しているようなときは本当にあちことに気を配って

事故にならないように

最新の注意を払いますね。

 

この状態によくにています。

 

頭をフルに使わないと

ピアノは弾けないので、

朝練習することで

脳が目覚めるのでしょうか?

 

シャッキリする、って

なかなか良い表現ですね。

 

その子にとっては

まだまだ始まったばかりの

100日チャレンジなので、

今後の変化が楽しみです。

 

一日5分を続けることの威力を感じてくれることでしょう。

 

だって0分だとしたら、

100日たっても0分ですが、

5分続けたら

100日後は500分。

8時間20分ですよ!!!

 

0分と

8時間の差は歴然ですね。

 

 

音楽は言葉

昨日の投稿で

サラッと音楽は言葉と表現しました。

 

言葉を学んでいるのと同じように

考えてみると、

音楽・ピアノに対する取り組み方が

分かりやすくなります。

 

レッスンに行くだけでは

ピアノは弾けるようになりません。

家での練習が絶対に必要です。

言葉も同じで、

普段どれだけその言葉に触れて

そして、実際に使わないと

自由自在に話したり、書いたりできません。

 

練習というと

ピアノの前に何時間も座る練習をイメージしますが、

弾くだけでなく、

たくさんの音楽を聞くことも必要です。

音符を読む練習も必要ですね。

 

音符を一つ一つ読めるようになることも必要です。

が、

アルファベットだけ読めても言葉が理解できるかというと、

そうではありません。

単語が理解できるようになって、

文章が理解できるようになります。

 

音も同じで、

ひとつの音だけ読めても、

いくつかの音が繋がってメロディーになるので、

まとまりを読む必要があります。

 

横にまとめるとメロディーになり、

縦にまとめるとハーモニーになります。

どちらのスキルも必要です。

 

言葉にもリズムがありますね。

アクセントや抑揚がないと

ロボットが話しているように聞こえます。

 

おうちでの練習をどうしたらいいか分からない時は

言葉を学ぶにはどうしたらいいか?

子どもたちがどうやって

日本語を覚えたのかを思い出してみると

良いアイディアが浮かぶと思います。

 

ひらがなの表をお風呂にはったり、

毎晩読み聞かせをしたり、

たくさん話しかけてあげたり

一緒に文字を書いてみたり、

しましたよね?

 

音楽も同じように

視点を変えてながら

様々にアプローチすると

楽器に取り組みやすくなります。

 

ぜひ、

いろいろな方法を試しながら

楽しく続けられるような工夫をしてみてください。