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> 2021年 > 1月 > 17日

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自分なりのストーリーを考えよう

歌詞があると、

歌詞を頼りに表現の方法を考えることはできますね。

ピアノ曲のように、

歌詞のない音楽を表現することに

苦手意識のある方は多いのでは?

私も高校生ぐらいまで、

どうやって、何を表現したら良いのか

よく分からず弾いていました。

 

楽譜に書かれている強弱や楽語、

和音の種類、調性など

知識として知っていることはたくさんありますが、

それを表現に繋げるには・・・

そういう具体的なことを知ることはできませんでした。

それこそ、感性というか、

才能がある人ができることだと思っていたので、

限界を感じていました。

だからテクニックに偏ってしまうんでしょうね。

 

どんなに小さな曲でも

音色や表現にこだわってレッスンするようにしています。

ただ楽譜に書かれた音符を

音に変化させるだけのゲームには

ならないように最初から気を付けます。

 

音を表現するときには

抽象的なことを表現するのかと

思っていましたが、

意外と、驚くほど詳細に具体的なイメージをもって演奏します。

強弱のバランスも、

自分が出せる強弱の幅を数字で考えることもあります。

例えば強弱記号

pp~p~mp~mf~f~ff

この6段階とします。

ppはゼロだと音が無くなってしまうので、

20%とします。

pだいたい30%

mpは約40%

mfは50%

fは65%

ffは80%

と、自分の持てるパワーを配分してみます。

そうすると、

クレッシェンドでは力配分を考えて

およその強弱を決めます。

 

クレッシェンドの意味は

だんだん強くする。ですが、

どの辺りでどのくらいまで強くするかを考えます。

 

というように、

細かく決めて演奏するのです。

 

また、全体の流れを考えるときには

物語を作って場面ごとに設定を考えます。

一曲のなかで、雰囲気が変わるところ、

調性が変わるところ、

などなど映画のようにシーンを考えます。

すると、左手のリズムは何を表しているのか考えやすくなります。

↑物語を考えてくる宿題で、

実際に書いてきてくれました。

 

思いがけない言葉や、

イメージを共有して

それを表現するにはどうしたらいいのか

一緒に考えます。

 

すると、

楽譜に書かれている強弱の意味がよく分かり、

なぜそこに、その記号が必要なのかも

分かってくるようになります。

 

ただ弾いているよりも

数倍楽しくなるようで、

あーでもない、

こーでもない、と自分で工夫しながら

楽しそうに演奏するようになります。

 

同じ曲でも、

物語はそれぞれなので、

個性を大事にするということは、

この部分ではないかと思います。

先生が一方的に

fだから強く弾きなさい!

クレッシェンドだからだんだん強くしなさい!

では、本当の表現にはなりません。

 

思いどおりに表する、

イメージどおりの音色を出すためには、

自分の思いどおりに動く指やからだが必要です。

だから、基礎が大事です。

それがだんだん理解できるようになってくると、

基礎の練習も熱心にやってくるようになります。

 

100日チャレンジで基礎をしっかりできるようになってきて、

その変化を本人が感じることで、

より意欲が増しているようです。

 

 

間違えても良い、むしろ、間違えた方が良い

誰でも、間違えたくないですよね。

それでも間違えてしまいます。

そんなとき、どんな気持ちになりますか?

 

テストだったら

一生懸命勉強したのに

間違えてしまったら

悔しいですね。

途中まで合ってたのに、最後で間違えてしまった!

なんてこともしょっちゅうありました。

 

全然分からない問題もあったし、

 

ピアノを弾いていても、

本番でミスをすることも多々あり、

あんなに練習したのに・・・

自分に残念な気持ちになりました。

 

学校で、先生に質問されても

違う答えを言ってしまうこともありました。

クラスの中で恥ずかしい思いをしたり、

 

どんなに気を付けようとしても

間違えてしまうことは

良くあります。

 

それは未だにあります。

 

間違えのない完璧な毎日なんて

滅多にありません。

 

料理をしていても

ちょっと手順を間違えて、

子どもたちに、

今日の料理はいまいち・・・なんてことも

言われたり。

 

どんな人でも間違えることはあります。

だから、間違えることを怖がらなくても良い。

 

特に、レッスンでは間違えて良いんです。

間違えるから、

どうしたら良いか考えるし、

一緒に解決方法を考えられます。

むしろ、間違えることを恐れて

挑戦しない事の方が重大で、

自分の可能性を伸ばすことが出来ません。

 

間違えることが怖くて

本当は分かっているのに、

分からないと答えていませんか?

分からないと言えば、

先生が正解を教えてくれる。

教えてくれた答えを聞いて、

合ってたんだと自分で答え合わせをしていませんか?

 

答えを見ながら問題を解いても

実力はつきません。

自力で解いてみて、間違えたときが

本当の意味で理解をするチャンスです。

次に同じような問題がでてきたときに

応用できるのです。

 

それは全てのことに通じます。

完璧に準備が出来てから取り組むことを考えると、

いつまでたっても準備が完璧になることは

ないでしょう。

ある程度の準備が出来たら

とにかく何でもやってみることが大事です。

 

レッスンで間違えたって大したことはありません。

もちろん、

なにも考えずに同じ間違いを何回も繰り返しては進歩がないので、

そこは区別するべきですね。

 

どうしてそこはそういうふうに弾こうと思ったの?

このメロディーは何を表していると思う?

どこの音が大事な音だと思う?

レッスンでの質問の例です。

この質問には正解がたくさんあります。

答えはひとつではありません。

だから自分が思うことを自由に話して良いんです。

こういう質問に答えられて

はじめて自分らしい表現をすることが出来ます。

 

レッスンではたくさんの対話の中から

その子らしい表現のヒントを探していきます。

なんとなく・・・

無意識で・・・

指の都合で・・・

というのは表現になりません。

強弱をつけるのにも理由があるし、

表現には全て理由があります。

それを納得して演奏するから

表現になります。

 

その基礎の部分は自分の感じたことです。

それを言葉で表現して、

自分が納得すると、

音も説得力のある音に変わります。

 

だから間違えることを恐れずに、

どんどん自分の感じたことや意見を話してみましょう。