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間違えることは怖くない!

一ヶ月後に迫った発表会に向けて、

私もいよいよフル稼働してきたので、

それが伝わるのか、

レッスンも緊張感に包まれ始めています。

 

今回は10~15分の持ち時間を自由に使うプログラムなので、一人で演奏する曲目が通常より多くなっています。

 

たいてい、

ソロ1・2曲。

連弾1曲

ぐらいではないでしょうか?

 

ずいぶん待つわりに、

出演時間が短い。

そんな発表会が多いのでは?

生徒さんが多い教室では

一曲弾いて終わり、というところもあると思います。

 

しかし、今回、平均曲数は5曲ぐらいです。

ジブリを3曲、プラスソロも3曲という子もいるし、

ソナチネを全楽章、そして、

ブルグミュラーを2曲という子もいます。

 

そして、挑戦する!という課題もあるので、やや難しい曲に挑戦している子もいます。

やはり、どうしても弾きたい!気持ちが強いので、難しいながらも本当に頑張っています。少しずつ形になってきて、なんとか間に合いそう、というところまできました。

 

普段のテキストの進度より、だいぶ進んだレベルの曲をやっている場合、弾くことが必死です。

音の数も多いし、長いし、一回弾くだけでも相当消耗していることでしょう。

発表会が終わってから、テキストに戻ったら、簡単に感じて、スラスラと進みそうな感じです。

 

大変過酷なチャレンジをしているにも関わらず、完璧主義な子が多いので、とにかく間違えることを嫌がります。

なるべくなら間違えない方が良いのですが、そこにばかりとらわれてしまうと、その子らしさが発揮されずに、機械で演奏しているのと変わらない、面白味のない演奏になってしまいます。

 

一番の問題は、個性のない、薄い表現になってしまった演奏になることです。

指を動かして、正しい音を弾く、楽譜を音にするだけのゲームのようにならないように、自分の感動をお客様に伝えることが一番大事なことです。

 

一生懸命どんなに演奏しても間違えるときは間違えてしまいます。

間違えないような練習も必要です。

心に歌が無い場合は、完璧な演奏をされても、感動は無いのです。

自分が選んだ曲なので、必ず好きな所、好きな響きがあるはずです、どこが気に入っているのか、どこを聞いて欲しいのか、そういうところを第一に考えて演奏するようにすれば、自然と間違えも減ってきます。

 

難しい音の場所は、何回も何回も指が自然にそこの鍵盤までいくように繰り返し弾く練習をしましょう。

部分的な練習を繰り返しつつ、その部分を含む範囲を少しずつ広くしながら、その難しい部分に指が自然にいくようにしていきます。

 

たいてい、難しくて間違える場所は、そこが問題なのではなく、その前からの繋がりがうまく行かないから間違えます。

 

自分が何の音を弾きたいのか、

しっかり指に伝えてあげることです。

 

無意識に慌てて弾いていたり、

最後まで音を聞いていなかったり、

ちょっとしたことで改善できるので、

歌う気持ちを忘れずに演奏してみましょう。

 

そこまでやって、間違えてしまったら、すぐに気持ちを切り替えて、次に集中です。

間違えた本人は気になりますが、聞いている人には、本人が落ち込むほど気になっていません。音楽の流れを止めてしまったら、誰にでも分かってしまいますので、絶対に何があっても、音楽の流れを止めずに弾く練習もしましょう。

 

普段の練習で、何度も弾き直す癖がある人は要注意です。

強い気持ちで繋げる努力をしましょう。

それにはやはり、歌うことが一番の解決策です。

間違えることよりも、

音楽的に演奏出来ているかを第一優先に考えて、楽譜をしっかり読み込み、心から歌うことを忘れずに、最後まで集中できれば、かならず満足の演奏ができるでしょう。

 

良い意味での完璧主義を目指しましょう!

 

 

 

いつもと違う時間にも練習してみよう。

久しぶりの発表会が一ヶ月後に迫ってきました。

 

10分~15分の持ち時間を自由にプログラムする初めての企画です。

みんなほぼ曲が出揃って、順番を考え、どんな流れで演奏するのかをイメージし始めています。

 

一曲だけの演奏なら簡単でも、

数曲も続けての演奏となると、

集中力や、持久力、忍耐力、などなど

思っていた以上に普段とは違う心持ちが必要なことがよく分かってきました。

 

レッスンでの演奏を聞いてきて、

だんだん疲れてくると、途中でやめたくなってしまう子もいて、演奏が上の空になってきます。

まさか本番では途中でやめるわけにはいきませんね。だから何としても弾ききる練習も必要になります。

 

疲れてきて、上の空になると、音楽には集中できなくなっているので、おそらく音楽とは違うことを考えながら演奏していることが考えられます。

 

あー早く終わらないかなぁー

なんか今日は曲が長く感じるなぁ

まだかなぁー

あれ?さっきも同じところ弾いたようなきがするな

あれっ?左手の音、なんだったっけ?

 

などなど、

不思議なもので、音楽とは全く関係ないことを考えていても、指は動いてくれる時があります。

しかし、次の瞬間、意識が戻ってくると、

急に訳が分からなくなり、どこを自分が弾いているのかも分からなくなり、

同じところをぐるぐると何回も弾いてしまったり、

似たような音を弾いているけれども、正確ではないので、混乱してきたり?

 

とにかく、普段だったらやらないようなおかしな事が起こります。

 

今日が本番じゃなくて良かったね。

 

いつも違う状況になったときに、

身体がどういう反応をするのか、

早めに知っておいて良かった。

という意味です。

 

だから、疲れているときにも、実力を発揮できるようにしなければいけません。

毎日の練習では、同じような時間帯に練習するなど、ベストコンディションの時が多いと思います。

ちょっと疲れているから休もうとか、

休んで元気になってから、とか、

 

しかし本番は、朝早くから準備したり、

会場の雰囲気にもなれないとだし、

久しぶりに会うお友だちもいるから

嬉しくなりすぎて騒いでしまったり、

 

普段以上に体力を使っています。

だから、ちょっと疲れている状態で本番に望むことを想定していて、ちょうど良いぐらいかも知れません。

 

ここから一ヶ月の練習では

本番に起こりうる様々な状況を想定して、

本番通りに演奏してみることも必要です。

もちろん、部分的な練習、基礎練習は絶対に必要です。いつも以上に必要です。

基礎練習を徹底することで、不測の事態に対処することができます。

 

そのうえで、本番用の練習をしましょう。

 

衣装に着替えてみるだけでも気分が変わります。くつをはきかえるだけでもだいぶ変わるでしょう。

その際には、

ピアノまで歩いていって、お辞儀をして、椅子に座るところから始めるのも良いですね。

 

そして、録音や録画もおすすめです。

 

楽しく弾ければ良い、

本番を楽しむ。

 

楽しむためには、ありとあらゆる考えられる練習を全てやりきって、十分に準備したと、言いきれるまで練習をすることです。

一ミリでも不安を残したままでは、楽しむことはできません。

全力で準備をしてきたからこそ、落ち着いて演奏に集中できて、楽しむことができます。

 

そこまでやっても、

失敗することもあるし、思ったように演奏できないこともあります。

それに、音楽的に完璧!ということはなかなか訪れません。

今できる精一杯の準備をして望むと、次に目指すゴールも見えてきます。

 

そのプロセスも楽しいものですよ。

 

 

 

 

 

 

表現は大袈裟に!

広い舞台の真ん中で

動きも小さく、声も小さかったら

客席からは何をしているのか

よく見えないし、分かりませんよね。

 

ピアノも同じです。

狭い部屋だったらよく聞こえるけれど、

舞台で同じような演奏しても

ピアノの音はするけれど

よく分からない演奏になってしまいます。

 

本番が控えている場合は、

どのくらいの広さの空間で演奏するのかも想像しながら練習するといいでしょう。

強弱の幅もいつもよりも3倍ぐらいでちょうど良いかもしれません。

 

以前、夏休みの特別レッスンでおともだちの演奏を聴き合う時間を作りました。

演奏している本人たちはピアノとフォルテの差をつけていたつもりでしたが、みんなにそれぞれに聞いてみると、あまり差がなかったという一致した意見でした。

 

面白いことに、

本人は相当変化をつけているつもり。

というのもほぼ全員が言っていたことでした。

それでようやく、いつも先生がもっともっと!!!!と言っている意味が分かったと、驚いているようでした。

 

もちろん表現は強弱だけでなく、

他にもあります。

だんだんゆっくりしたり、

たっぷり音を延ばしたり、

少し咳き込んだように早くしたり、

記号や楽語によって指示があります。

それも自分が思っているよりも大袈裟にやってみましょう。

 

俳優さんが舞台で演技するときは

いつもの話し方よりも大きく口を動かしてはっきりしゃべるようにしていたり、

表情も遠くからでも分かるように

何倍も大袈裟にやりますよね。

そういうイメージです。

 

本番では緊張してしまって

萎縮してしまうので、

普段大袈裟に練習していて本番ではちょうど良いぐらいです。

 

せっかく聞いてもらうなら、印象に残る演奏がしたいですよね。

表現しよう!というひたむきな姿勢は、やはり音に気持ちが乗って、良い緊張感のなか、聴く人に感動を与える演奏になります。

 

その逆もあるということですね。

 

あと一ヶ月とちょっと、

まだまだ上達します。

集中力を高めて、気合いを入れていきましょう。

 

間違えずに弾きたいけれど・・・

一生懸命になればなるほど

間違えないように弾きたい!と

思うのは自然なことです。

 

せっかく練習してきたからには

完璧に弾きたいですよね。

そのためにも暗譜も頑張っているし。

 

間違えないで弾けるようにすることは、

練習の成果を自分で感じられます。

 

しかし、音楽的な面を考えたときに、

ただ音を間違えずに弾けただけでは

その曲を十分に表現できたとは言えません。

私が子どもの頃に陥った偏った演奏です。

 

その曲らしく演奏する。

お客さんにどう聞いてほしいのかを考えながら弾く。

強弱などの記号の必然性を理解できているか?

 

一番大事なところが抜けていました。

 

レッスンでも、

今、何を考えながら弾いていた?と質問すると、

???なにも考えてなかった・・・とか、

間違えないように弾こうと思ってた。とか

弾くことに一生懸命になりすぎていることがあります。

そうすると、不思議なことに、

余計にミスタッチも多くなります。

 

曲に合ったテンポで弾くことで、

逆に弾きやすくなり、ミスが減ることもあります。

曲の雰囲気を考えて弾くと、

自然と歌うことになり、機械的だったフレーズも音楽的になって、無理の無い速さになり、無理無く弾けるようになるからです。呼吸も自然になるので聞いている人も聞きやすくなります。

 

個性を出そうと思わなくても、

演奏する人の呼吸は十人十色ですから

その人なりに歌うだけで個性がでます。

素直に音楽を表現するだけで良いのです。

無理に解釈をする必要もありません。

そこは楽譜の読み方にも影響しますので、

楽譜からどうやって音楽を読み解くか・・・謎解きのようなコツはたしかにあるので、それをレッスンでは一緒に解明していきます。

 

その作業が一番楽しい時間なので、

できるだけ早く譜読みを終えてほしいのです。

もしかしたら、譜読みを終えて合格と思っていませんか?

譜読みが終わって初めて、音楽のレッスンがスタートするのです。

本番までやることはたくさんあります。

いかに早く譜読みを終わらせるかがポイントです。

音楽が体に染み込んで、自分の言葉になるまで染み込ませます。

それにはある程度の時間がかかります。

 

そうなって初めて間違えることを気にせずに音楽に集中できるようになってきます。

良い意味での緊張感のなかで演奏できるようになるでしょう。

 

楽譜を読み取る力は、一番大事なスキルです。私もとても苦労しました。

長い時間をかけて完成された楽譜には、

よく見ると細かい工夫がなされていて、

よく考えたなぁーと関心するポイントがたくさんあります。

実に良くできています。

そんな楽譜の仕組みも解説していきたいですね。

 

 

 

暗譜はどうやってするの?

昨日は、暗譜がどうして大事なのかをお話しました。

今日は、暗譜といっても、どうやって暗譜をしたらいいのか具体的な方法についてお話します。

 

8小節しかないような曲のように短い場合は、暗譜をしよう!と意識しなくても、練習してる間に覚えてしまうと思います。

楽譜は開いていても、見ていないこともありますね。いつのまにか暗譜してしまっています。

自分では楽譜を見なくても大丈夫と思ったとき、楽譜をどこか、すぐには取れないような場所に置いて、もう一度弾いてみてください。

 

①目の前に、ありありと楽譜の映像がイメージできますか?

 

②楽譜を置いているときのように安心感をもって演奏できていますか?

 

③途中からでも自信をもって弾けますか?

 

全ての問いにyesの場合は、

おめでとうございます!

完全に暗譜ができています。

その調子でこれからも練習してください。

 

ひとつでも当てはまる場合は、

暗譜をするために、もう一工夫が必要です。

 

楽譜をはっきりとイメージできるかどうかは、曲が長くなってくると非常に重要です。もし細かい音があやふやでも、このページのあの辺りの部分、と思うだけでも記憶を呼び戻すヒントになります。

 

そのイメージがあれば、たとえ目の前に楽譜が無くても安心できますよね。

不思議なもので、普段はたいしてしっかり楽譜を見ていなかったのに、目の前に無いと思うだけで、妙にドキドキしてしまったりするのです。

以前、ピアノの演奏は車の運転に似ていると、記事にしたことがありましたが、

地図を見ながら運転することイメージすると分かりやすいのではないでしょうか?

 

楽譜を地図に例えています。

 

何度も何度も通っている道は安心して運転できますよね。曲がり角にどんな建物があるのか、何個目の信号を曲がるのか、道を教えてあげるときにも、目印になるものをいくつか挙げながら教えてあげると思います。

 

そして、指先だけで覚えないために重要なのは、途中からでも自信をもって弾けるかどうかです。

メロディーは記憶に残りやすいので、途中からでも弾けると思います。しかし、左手の伴奏部分や、和音の内声部は動きも地味なのではっきりと認識しづらいものです。

 

途中から弾くのが難しいのは、こういう細かい内部の音を意識していないと分からなくなるからです。

しかし本番でハプニングが起こるのは、こういう内部の音があやふやになってしまい、そこが変わってしまうと、和音の種類が変わってしまうこともあり、だけど、どこが間違っているのか気がつきにくく、修正がさらに難しくなります。

 

ですから、楽譜をはずして練習してみたときに、やっぱり分からなくなる部分がでてきたときは、一音一音ドレミで歌えるほど、分解して覚える必要があります。

 

もし、その前の部分で思い出せないほどのハプニングがあっても、キリの良いところで覚えた音、途中から弾けるように対策をしておきます。

すると、気持ち的にも、

もし分からなくなっても、そこの部分からできるから大丈夫と、安心することができます。

 

本当はそうならないように、全てドレミではっきり歌えるほどが理想的です。

 

全てのドレミが楽譜を見ずに歌えるのが理想的と言いましたが、これもチャレンジしてみる価値は多いにあります。

 

私がよくやった方法としては、

例えば5分かかる曲を暗譜しようとしているとします。

 

歩きながら頭のなかで音楽を演奏します。ちょうど5分で目的地に着くような距離だとして、目的地に着くまでに一曲頭のなかで演奏できたら暗譜できています。

 

もし暗譜があやふやだと、目的地に着くまでにいつのまにか違うことを考えてしまったり、同じところをグルグルと繰り返しているだけだったり、全然違う曲に変わってしまっていたりするのです。

 

完全に暗譜できている場合は、最後まで頭のなかで演奏できています。

 

電車に乗っているときもそうです。

次の駅まで12分あるとしたら、ちょうど12分ぐらいの曲を頭のなかで演奏してみます。

 

そうやってコンサート前は暗譜のための練習をしていました。

指を動かさないと最後までいかない場合もあったり、分からなくなってしまうこともありました。

指を動かさずに最後まで歌えると、かなり自信をもって舞台で演奏できます。

歩きながらだと、歩くテンポに合わせることもできるので、学校の帰り道、一人で歩いているときなど、頭のなかでは練習中の曲が流れていることもありました。

 

暗譜の方法と聞いて、ピアノの前に座った練習を思い浮かべる方も多いと思いますが、歩きながらとか、電車に乗りながらとかの練習方法は意外でしたか?

 

以前は一年生の子どもでも、

時間がなかったから練習できなかったと言う子もいました。

 

本当にそうでしょうか?

ピアノの前に座らなくても出来る練習方法はたくさんあります。

お風呂で浴槽のへりのところで指の形を確認しながら歌ってみたり、

 

ご飯を待っている間にテーブルで指のよい形を確認してみたり。

 

歩きながら歌ってみたり、

 

いくらでも方法はあります。

 

残念ながら、時間がなくて練習できませんとわざわざ報告してくる子は、時間を見つけることが出来ないので、長く続かないことが多いです。

 

一年生が、練習する時間が取れないとなると、学年が上がって内容も難しくなって、それ以上に時間を見つけることが出来なくなります。

 

なんとか弾けるようになりたい!という強い気持ちが必要です。

 

その気持ちが、もし途中で分からなくなっても、止まらずになんとか弾き続ける強い気持ちにも繋がっていきます。

 

ピアノは孤独な作業です。

途中で何かあっても助けてもらえないので、なんとか最後まで一人でやりきれるようにしなくてはなりません。

日頃の練習からいろんな場面を想定して、安心して暗譜が出来るように準備をしていきましょう。

 

今日は、暗譜、暗譜と音を中心に覚えることばかりをお話しましたが、音を間違えることよりも、大事なことがあります。

暗譜に自信をもつからできることですが、音を間違えるよりも大切なことを忘れないでほしいので、次回は音を間違えることよりも大切なことについてお話しようと思います。

 

では!