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> 2020年 > 12月 > 28日

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声掛けの工夫

ついつい言ってしまうのが

「練習しなさい!」

「勉強しなさい!」

なるべくなら言いたくないけれど、

自分から進んでやってくれたらどんなにいいだろう・・・

と、思いますよね。

 

「練習しなさい!」と言うと、

必ずといっていい程

今、やろうと思ってたのに・・・

って聞こえてきませんか?

 

自分が子どもの頃にも

返事したような気が・・・・

本当にやろうとしてたかどうかは

怪しいですが、

やらなきゃいけないなぁと

子どもながらにも思っていたことは確かです。

 

それを先に越されて言われてしまうと、

なんだかやりたくなくなります。

 

かといって、

何も言われないと、

もしかして、このままやらなくても良いのかな?

怠け心が働くのも事実。

 

どちらにせよ、

言われなくても自分からやってくれる方法は無いものか?

これは、今に始まったことではなく、

ピアノに限らず、

永遠のテーマとも言えるでしょう。

 

ちょっと視点を変えて、

お父さんがサッカーが好きな&得意なお家の子は

サッカーが上手な子多くありませんか?

お父さんやお母さんが野球が大好きなお家の子は

野球が好きで上手な子いませんか?

 

そういう子たちは

お父さんやお母さんが好きだから、

無理矢理やらされているのでしょうか?

 

有名な音楽家が小さい頃、

家にはレコードがたくさんあって

いつも音楽が流れていたなんて話しも聞いたことありませんか?

 

サッカーや、野球が大好きなお家は、

テレビでいつも試合を観戦していたり、

実際に観に行ったり、

食卓での話題もサッカー、野球、

そんな環境の中にいたら

自然と興味がわいてくると思いませんか?

それに、いつも楽しそうにお母さんもお父さんもサッカーについて話してたら・・・

自然とサッカーの話題に溢れていますよね。

 

おそらく小さい頃から、

ボールに触れたり、

ちょっとでも出来るようになると

家族が喜んでくれる環境があったのでは?と想像できます。

 

そういう環境で

「練習しなさい!」という声掛けはあるのでしょうか?

 

もちろん、本格的にトレーニングをするようになると、

厳しさも必要になってきますが、

その前の段階では、

おそらく楽しみながら競技に触れたり、

興味を持たせるような働きかけが

あると思います。

 

ちょっとやってみようか?

レッスンでやったのを見せて?

お母さんに聞かせて?

お母さんに教えて?

◯◯ちゃんのピアノ聴きたいな。

今、弾いてる曲、良い曲だね。

 

いつも同じような声かけではなく、

いくつかヴァリエーションを用意しておくと良いのではないかと思います。

 

自分がかけてもらいたかった言葉などでも良いと思います。

 

例えば、

いつも料理しているのに

無言で食べられたらちょっと寂しいですよね。

一生懸命作ったら

「美味しい」の一言で

次も頑張れる、

次も美味しいのを作れるように頑張ろう、と思えますよね。

一口食べるなり、

これはもっとこうした方が良いよ・・・

もう少し勉強したら・・・・

なんて言われたら、

もう作るもんか!!!

となりますね。

 

しかも、これから作ろうかな、と思ってるところに、

早く作ってよ、

食べるものないの?なんて言われたら

「今、作ろうと思ってたのに!」って言っちゃいますね。

 

子どもも同じだと思っています。

やらなきゃいけないのは分かってる。

でも、なんとなく気が進まないときには

そっと背中を押して欲しいのかな?

無理矢理は絶対に続かないので、

やりなさい!という命令形にはならないように

気を付けたいですね。

 

一番言って欲しくない言葉は、

「練習しないならやめなさい」

これはとても傷つきますね。

もし本当にやめたいと思っていても、

じゃーそうする。とは答えにくいものです。

自然と練習したくなるような雰囲気作り、

家族が音楽を楽しんでいる環境

これが一番です。

 

お母さんがピアノを弾ける必要はありません。

私の母は、全くピアノは弾けません。

ただ音楽が大好きで、

いつも家には音楽が溢れていました。

 

家で練習したがらなくて困っているというお母さん、

ぜひ、お母さん自身が音楽を楽しんでください。

ピアノを習うなら、

クラシックに触れるのが一番理想的ですが、

ジャズでも、ポップスでも、なんでも良いと思います。

お母さんが楽しんでいたら、

必ず子どもは興味を持ち始め、

お母さんが楽しそうだからやってみたい!となります。

 

お家での時間がたっぷり取れるときは、

じっくりピアノをやってみるのもいいですね。

冬休みだと、お母さんは忙しいかな?

音楽をかけて、鼻歌歌いながらお料理などはいかがですか?

一日の中で、どのくらい音楽に接していますか?

一週間に一度の30分のレッスンだけで、ピアノが弾けるようになりますか?

 

それを外国語、例えばフランス語に置き換えてみましょう。

 

一週間に一度の30分のレッスンだけで、フランス語が話せるようになりますか?

 

どのような回答になるでしょうか?

 

フランス語が話せるようになりたいと思ったら、レッスンに加えて、

フランス語の映画を観たり、

音楽を聴いたり、

本を読んだり、

フランス語を実際に使ってみたり

とにかくたくさんフランス語に触れる時間を作りますよね。

 

そのような時間を作らずに、

30分のレッスンだけだったら

話せるようにはならないと思います。

 

音楽も同じです。

レッスン以外の時間に

どれだけ音楽に親しんでいるかが

とても重要です。

楽器の練習はもちろんですが、

音楽をたくさん聴くこと

楽譜を読むこと、

歌うこと、

言葉を学ぶと同じような

プロセスを経ています。

 

また、体で覚えるような感覚も必要なので、

遊びの感覚も大切です。

ブランコの感覚はテンポ感を養うのに最適ですし、

ボールを使った遊びは、

音を出す体の使い方と似ています。

近くの人に聞こえるような音と、

遠くの人に聞こえるような音をイメージすると分かりやすいです。

 

音をボールに置き換えると、

近くに人に投げるボールと、

遠くの人に投げるボールには

力加減を調節しますね。

ピアノで音を出すときには

その同じような力加減を使います。

 

また、音の跳ねかえりの感覚は、

ボールをドリブルのように突いた時の

戻ってくる感覚と似ています。

テンポ感とも言えます。

それに、体の使い方と同じです。

手のひらを力一杯広げるだけでは

上手にボールを突くことは出来ません。

手首は適度に脱力しながら、

でも指先はしっかり使える状態だと、

上手に長時間ボールを突くことができます。

 

練習しようと思ってやるのではなく、

遊びの中で自然とやっていることが

ピアノを弾くときに非常に役に立ちます。

 

ピアノの練習をしたがらない・・・

という話しはよく聞きますが、

ピアノの前に座って弾く以外にも

たくさん出来ることはありますよ。

 

STAY HOMEがまだ続きそうですが、

こんなときこそ、

いろんな音楽を聴いたり、

練習=勉強ではなく、

音楽を楽しむことからはじめてはいかがでしょうか?

 

子どもは、自分が興味を持ったこと以外は絶対にやろうとはしないですね・・・・

 

無理矢理興味を持たせようとすると、

なにかを察知して逃げてしまいますね。

どうやって興味を持たせるか・・・

そこが腕の見せ所ではないでしょうか?