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なぜ暗譜しなくちゃいけないの?

子どもの頃は暗譜しようと思わなくても、

いつのまにか暗譜できていたのに、

だんだん曲が長くなってきて、

複雑になってきて、

暗譜するのが大変になってきたし、

試験や本番で暗譜は心配になることも増えてきました。

 

最近ではお客さんに喜ばれる曲を中心に演奏をしているせいか、新しく曲を勉強することも減り、学生時代とは違った対策が必要になってきました。

 

 

なぜ、暗譜をしなくちゃいけないのでしょう?

楽譜を見ながら舞台で弾いてはいけないのでしょうか?

 

特に、舞台では暗譜で弾かなければいけないという規則はなく、

明確な意思をもって、

あえて楽譜を見て弾くピアニストもいます。

 

ピアニストがソロのコンサートで楽譜を見ながら弾くスタイルを見るのは慣れていないので、なんとなく違和感があります。

 

やはり、決定的に違う点は、

暗譜している方が、

緊張感と集中力の度合いが何倍も高くなるようです。

 

集中力とは不思議なもので、

体全体から醸し出す雰囲気というのでしょうか、

やはり伝わってくる気がします。

それに緊張感が伴って、

この場合の緊張感は、

ドキドキしている感じではなく、

音楽に対しての緊張感というか、

真剣さが増すという方がニュアンスとしては近いかもしれません。

もちろん、楽譜を見ているからといって

集中力や緊張感が無いわけではありませんが、どこかで安心しているというところが感じられるような気がします。

 

それは自分自身にも当てはまっていて、

練習するときに

譜面台に閉じた楽譜を置いておくだけでも安心するというか、

完全に楽譜を譜面台からとって

どこかに置いておくだけで

数倍も緊張しているのが分かります。

 

楽譜には全ての情報がかかれていますが、不思議なことに、見えているはずなのに、見てないこともあるのです。

 

だから暗譜をしてみると

いかに見落としがあるのかも気がつくし、

音楽の構成も分かっていないと

ダラダラとして、まだ終わらないのかな?と弾いている本人が注意散漫になってしまうことがあります。

 

音楽の構成をよく理解するという点では

暗譜はとても良い方法です。

いわゆるクラシック音楽では

形式にのっとっているので、

ひとつのフレーズをすこしずつ変えながら曲が進行したり、

和音のひとつを変えることで違う進行になったり、

ぼんやり弾いていると、

うっかり同じところを繰り返していたり、

まるごと数ページも飛ばしていることも!!!そのきっかけになる音を理解できていないとスムーズに音楽が流れなくなってしまいます。

 

子どもの頃、いつのまにか暗譜ができていたというのは、指で覚えてしまって、頭では理解していない状態です。

一度どこかでつまずくとつまずいたところから再スタートさせるのが難しく、

また最初からでないと分からないという事態が起きてしまいます。

 

曲が長くなってもそういう覚え方だと、大変ですよね。

 

だから、暗譜するための練習が必要になります。

 

暗譜の重要性を分かっていただいたところで、少し長くなったので、

具体的な暗譜の方法については次回お話したいと思います。

 

 

本番のための練習

昨日は、人前で演奏するときには

誰でも緊張するから、

怖がらずにどんどん舞台での演奏に挑戦しましょう!というお話でした。

 

さて、今日からは本番に向けた練習方法をいくつか紹介していきます。

何回シリーズになるでしょうか?

今のところ未定です・・・

 

本番に向けた練習は、

毎日の練習とはちょっと違います。

舞台では状況が変わるからです。

緊張していることを前提にして練習します。

 

緊張していると、いつもと何が違いますか?

 

心臓がドキドキして、そのドキドキを止めようとしても、自分では止められませんよね。心臓が勝手にドキドキしてきます。

そうすると、手が震えたり、足が震えたり、指先が冷たくなってきたり、あきらかにいつもと違う状態になります。

それを自分でどうすることも出来なくなります。

だから、どうしよう😱となりますね。

 

でも、緊張するのは仕方ない!

舞台で良い演奏をしたい!と思っている証拠。

と前向きにとらえて、

その状態でもベストを尽くせるようにしましょう。

 

緊張したときによくあるのは、

自分で制御できないほど、指が速く動いてしまうことです。

私も何回も経験しました。

弾きながら、えーーーーっ、私、どうしちゃったのーーーー😨こんなに速くて大丈夫?次はなんだっけ???

 

と、音楽とは全然関係ないことを頭で考え始めてしまいます。

落ち着こうとすればするほど焦って、結局よく分からないまま演奏を終えることもありました。

うまくできたのかどうかもよく覚えていない感じです。

 

だいぶあとになってから教えてもらいましたが、これは体にとっては当然の反応らしいのです。

というのも、

体は、普段の心拍数を基準に動いています。

いつもの練習では、

落ち着いているときの心拍数で演奏しています。

そして、緊張しているときは、心拍数は速くなりますから、その速さに合わせていつもの動きをしているというのです。

だから、体としては特別指だけ速く動かしているのではなく、いつものように心拍数に合わせて動いていることになります。

 

緊張することを前提として練習するには、

通常よりもかなりゆっくりのテンポで弾けるようにすることがとても大事になります。ゆっくりなんて簡単!と思うかもしれませんね。

ところが・・・・・・

このゆっくりというのが、意外と難しいんです。しかも、暗譜でとなると、ハードルが数段上がります。

速く弾く方がどんなに楽か・・・・

 

ぜひ、試してみてくださいね。

こんなにも弾きづらいなんて!とびっくりすると思いますよ。

気を付けてほしいのは、ゆっくりだからといって、ただゆっくり弾くだけでなく、強弱や、記号なども全部つけてくださいね。

 

そして、もうひとつ大事なのは、

自分が弾ける最速のテンポでも弾いてみることです。

万が一、心臓のドキドキに合わせて指が速く動いてしまったときのことを想定します。自分の持っているテクニック以上の速さになってしまうこともあるので、どんな感じになるのか一度経験しておくとよいでしょう。

 

本番で起こり得る状況を全て想定して、対策します。すると対処できる自信がつくのか、舞台でも落ち着いて演奏できるようになりますよ。

 

次回は暗譜についてにしようかな。

 

とりあえず最後までやってみよう

レッスンをしていて思うのは

慎重で、完璧主義な子が多いなぁということです。

 

ちょっとでも間違えると

(私にとっては間違えではないなと思うレベル)

最初からやらないと気が済まないようで、

最初から弾き直します。

 

しかし、間違える箇所は同じなので、

何度も何度も最初からやり直すことになり、

次へ進めません。

 

完璧を目指すことは

とても立派なことですが、

やりすぎるとかえって次へ進めなくなり、

そこで立ち止まってしまいます。

 

ちょっと間違っちゃったけど、

次へいってみよう!

という気楽さも必要なのです。

 

算数のテストなど、

分からない問題はとりあえず

そのままにして、

次の問題へ進もう

と、言われたことはありませんか?

 

最初の問題が解けないと、

次の問題が解けない場合もありますが、

気持ちを切り替えて、

出来る問題から解くのも

テストを受けるときのテクニックとして

必要ですよね。

 

それと同じです。

 

間違えてしまう箇所は

あとで部分的に練習をするとして、

とりあえず先へ進み、

出来るところをやってみる。

 

そんな気楽さをもって練習してみましょう。

 

最初からばかり練習していると、

最初だけ上手になって、

後半はどうしても後回しになってしまいます。

 

だから後半から練習したり、

最後の方から練習したり、

飽きない工夫も大事です。

 

曲の全部が難しいのではなく、

部分的だけだったとしたら

そこでずっと立ち止まっていては

ちょっと時間がもったいないですよね。

 

 

流れにのるには・・・

音楽にはその曲に合った速さ、テンポがあります。

 

譜読みの段階で、いきなりテンポに合わせるのは難しいでしょう。

だんだん慣れてきて、指の感覚も出来てくると、テンポをあげられるようになります。

 

練習していていつのまにかちょうど良いテンポで弾けることもありますが、

ある程度弾けるようになったら

テンポを意識することも大事です。

 

ひとつひとつの音を確認しながら

弾いている時は、

次の音へのスムーズな繋がりとか、

準備に時間をかけることが出来ますが、

その次への準備を素早くできるようにするためにも、

流れをつかむことが大事になってきます。

 

一人で練習しているときは

何回も同じところを弾き直してしまうこともあると思います。

弾き直したくなる気持ちは分かりますが、

できるだけ弾き直ししないで練習した方が良いですね。

弾き直すことは無意識でやっていることも多いのです。

無意識でやってしまうと、

本番でもその弾き直す癖がでてしまうので

要注意です。

 

流れにのって弾くには

間違えても良いからどんどん先に進むという練習もします。

だから、立ち止まって丁寧に弾く練習と、

流れをつかむためにどんどん進む練習と、

テクニック的に難しい部分は何回もそこだけ練習する、

ひとつの曲を練習するにも

目的によって練習の方法を変える必要があります。

レッスンでは

先生が伴奏をつけて弾くことで

流れにのりながら弾く感覚をつかんでもらいます。

意外と流れにのった方が弾きやすい場合もあります。

 

流れにのれない理由としては

まず自分が何の音を弾くのか

はっきり理解できていない、

楽譜から音を見ても、

瞬時に指に指令が出来ない場合です。

なんとなくでは指に命令を出すことが出来ず、時間がかかってしまいます。

それを解決するためには

ひたすらドレミで音符を読むことです。

 

歌えるテンポでしか弾くことが出来ない。

と、私は先生に教わり、

その通りだなと今でも思います。

はっきりドレミが分かっていると、

本番も自信をもって臨むことが出来ます。

 

ドレミが分かったら、

ちょうど良いテンばかりでなく、

速めのテンポでも弾いてみましょう。

脳からの刺激を活発化することで

適正なテンポに下げたときに

余裕をもって弾くことができます。

 

本番で緊張したときに

自分では制御できないほど

テンポが速くなることがありますが、

そういったトラブルにも対処することが出来ます。

 

それからどうしては流れにのれないときは、

見本の演奏に合わせるというのも良いでしょう。

どのくらいのスピードで楽譜を追ったらいいのかが分かるし、

指を動かすイメージもできます。

 

指を動かしているのは

脳からの指令なので、

いかに速く、楽譜の情報を指に伝えられるかが、

カギとなります。

音符を見て、ドレミが分かったら、

それを瞬時に指に伝えられるような

反射神経をつけられるといいですね。

 

アスリートが動体視力をトレーニングするように、

ピアノを弾く場合も

目を速く動かせるようにするのも良い練習だと思います。

 

楽譜は左から右に流れ、

下の段に移るときや

ページが変わるとき、

それから楽譜と鍵盤を交互に見るとき

かなり目を使います。

音楽の流れを止めずに

楽譜を追うことも必要なので、

見本の演奏を聞くときも

楽譜を追いながらスピードになれるのも

良い練習になります。

 

ピアノを弾くことは

一度にたくさんの情報処理をし、

様々な能力を駆使していることが分かります。

それでいて

感情や情景を描写することができるわけですから、

一曲弾き終えると体力を消耗するのは納得ですね。

 

 

曲に合ったテンポで!

弾けるようになるまでは

ゆっくり練習することは大事です。

細かい音符の部分や、

複雑なリズム、

難しいテクニックが必要な箇所は

ゆっくり確実に弾けるようにします。

 

それがだんだん慣れてきて、

弾けるようになってきたら

曲に合ったテンポで弾けるようにしましょう。

 

いつまでもゆっくりのままだと、

曲の本来の雰囲気が出せずに、

かえって弾きづらいことがあります。

 

どの曲にも、ちょうどその曲に合ったテンポがあり、

早すぎても、

遅すぎても

調子がでないことがあります。

テンポを遅く設定しすぎて

流れに乗れずに、

なんだかよく分からないまま

曲が終わってしまうのです。

 

題名や、

楽譜の一番最初に書かれている

速度記号を参考にしてみましょう。

 

そして、音を出す前に

心の中で出だしのメロディーを歌ってください。

 

準備も無しに、

いきなり音を出すと、

流れがつかめずに、

調子がでないうちに終わってしまいます。

 

ピアノを弾くには

指揮者の役割をする自分と、

ソリストの役割をする自分と、

伴奏をする自分と、

いろいろな役割を一人でこなす必要があります。

 

音を出す前には

指揮者がテンポを感じて呼吸をするように、

流れを作ってください。

そして、十分なブレスをして

最初の音を出します。

 

これが無いと、

聞いている人は、どこで呼吸をしたらいいのか混乱し、

聞いていて苦しい演奏となってしまいます。

 

ピアノを弾くために

歌うことを重要視するのは

こういうところにあります。

音を出すからだの準備は

歌うときと同じです。

 

歌うときには、前奏を聞いて、

曲のスピードでブレスをしています。

だから、曲に合ったテンポを設定し、

流れにのってから

ブレスをして演奏を始めると

弾いていてもスムーズで

聞いていても楽に聞くことができます。

 

また、早く弾くことに不安があっても、

できるだけテンポ通りに弾いてみることをしてみてください。

思ったより弾けるかもしれないし、

もし大変だったとしても、

早く指を動かすことの感覚を覚えていきましょう。

 

早く走りたいのに、

早く走る練習をしなければ

走れるようにはなりませんね。

もちろん最初は息切れもするし、

足も筋肉痛になるし大変かもしれませんが、

練習を重ねていくうちに

足を早く動かすことにも慣れてきて、

早く走るコツがつかめてくるように、

ピアノでも同じことが言えます。

ゆっくり確実な練習もするし、

早く動く指をつくる練習もするし、

いろいろな練習を試してください。

 

本番前には

曲に合ったテンポだけでなく、

超ゆっくりバージョンと、

超早いバージョンなど、

いろいろなテンポの設定で練習します。

その理由は別の機会に!