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> 2020年 > 11月 > 28日

月別アーカイブ

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左手の音は重要です。

日頃から

歌が大事!

歌うことが大事!

歌いながら弾いて!

歌えれば弾けるから!

しつこいくらいに言っています。

そのとき、歌っているのは

たいていメロディーですよね。

もちろんメロディーは大事なのですが、

ハーモニーも音楽を形作る上では

とても大事な要素です。

 

ちなみに、クラシック音楽において

音楽の三大要素は

メロディー、ハーモニー、リズム。

リズムも本が何冊も書けるほど

語る内容がたくさんあります・・・

 

さて、ハーモニーは左手の音、

つまり低音がとても重要なことが多いです。

 

しかし、音楽として耳に残りやすいのは

メロディーが多いので、

覚えるときもメロディーは簡単です。

そこで問題なのが、左手の音です。

同時に二つの音を歌うことは出来ません。

小学生ぐらいだと、

弾いているうちになんとなく覚えられるのではないでしょうか?

 

これが危険です。

 

からだの動きとして

なんとなく覚えている状態だからです。

これは無意識で弾けている状態なので、

一旦、意識してしまうと、

本番などの緊張状態では

分からなくなる可能性が高いです。

 

そうならないように、

普段から左手の音も意識して弾けるようにする必要があります。

左手だけ暗譜で弾けるかどうか、

ぜひ試してみてください。

 

かなり難しく感じられるでしょう。

 

右手はお休みして、

左手だけを弾く場合と、

 

右手は鍵盤上を動かしているけど

音を出さずに指を動かしながら、

左手を弾いてみてください。

いかに、右手の動きに頼っていたかが

よく分かると思います。

 

ショパンは、

左手は指揮者の役割である。と

語ったそうです。

テンポを保つ役割や、

響きの土台を作る役割、

右手のメロディーが最高にきれいに聞こえるように、

左手は環境を整えるような役割でしょうか。

 

ショパンの曲を演奏するとき、

左手の音に自信をもっていると、

とても安心して演奏することが出来ます。

 

たいてい、暗譜が怪しくなるのは

左手が怪しい時なのです。

もし、メロディー部分に何か突発的に事故が起こっても、

左手が止まらなければ

なんとか繋ぐことが出来ます。

 

習い始めの時から、

練習するときは

左手を弾きながら、右手を歌うことをやってもらいます。

そうすることで

両手もスムーズに出来るようになりますし、

曲が大きくなってきてからも

応用できる練習です。

 

これをしっかりやってくる子と

そうでない子では

進み具合にも差が出てきているように思います。

 

ぜひ、左手の音に意識を集中させて

練習してみてくださいね。

 

 

ピアノを習うということ

ピアノを習い始めるときに、

 

プロになるわけではないけれど、

将来趣味でピアノが弾けるようになれれば

良いと思ってます。

 

と、お話を聞くことが

かなり多いです。

 

たしかに、

ピアノでプロになるのは大変。

音楽を仕事にするのは大変、

音楽は趣味で出来れば良いな。

たいていの方が思うことでしょう。

 

私も小さい頃、

ピアノで食べていくのは大変だ、

と、父に言われたことがあります。

 

では、

趣味で音楽が出来る程度とは

どのくらいでしょうか?

 

ピアノはしばらく弾いていないと

指が動かなくなってきて、

感覚も忘れてしまうので、

定期的に弾いてないと、

自分が今日は弾きたいな!というときに

思いどおりに弾くことは出来ないと思います。

 

音大を卒業したからといって、

卒業しても弾いていなければ

弾けなくなってしまうものです。

 

そう考えると、

時々弾いて、

気分転換になるレベルって

意外とすごいですよね。

 

ですから、

私は、将来音楽の道に進もうと、

趣味で楽しもうと、

小・中学生のうちは

徹底的に基礎を習得して

思いどおりに動く身体を作る必要があると考えています。

 

表現力の基礎も同じです。

趣味にするからといって、

表現力がおろそかでは

本当の意味で音楽を楽しむことが出来ないと思っています。

 

子どもの頃には

いまいち表現することについて理解できなくても、

楽譜の読み方を知っていれば、

将来、様々な経験を積んで、

もう一度音楽に取り組んだとき、

表現の醍醐味を理解することが出来るでしょう。

 

 

私にはその表現力の基礎が足りなかったから、

楽譜に書いてある音符を

鍵盤上の音にすることが出来ても、

そこからどうやって音を作るのか、

そもそも

楽譜から何を読み取ったら良いのかが

漠然としすぎていて分からず、

何を練習するのか、

練習がつまらなく感じ、

先生には怒られ、

訳が分からぬまま嫌になっていった時期が

ありました。

 

音楽の背景を調べ、

楽譜に書いてあることを読み取り、

音を作る作業は

知れば知るほど楽しいものです。

 

プロになる、ならないに関係なく、

すべての子どもたちに

表現することの楽しさ、面白さを

経験してもらいたいと、

日々のレッスンでは

工夫しながら伝えています。

 

時には厳しい指摘もあります。

それは常に真剣に向き合っているからです。

真剣に取り組んでこそ、

楽しさ、達成感、充実感が味わえます。

真剣に取り組むには

自分自身と向き合う必要があります。

見たくない自分、

避けたい自分、

素直になれない自分に出会うこともあります。

 

そんなとき、

どうやって乗り越えたら良いのか、

粘り強く一緒に取り組みます。

 

ピアノが弾けるようになることで、

心も大きく成長します。

 

自分らしい表現を身に付け、

心も成長できたら

将来、音楽が生涯の友として

寄り添ってくれるでしょう。

 

時間はかかりますが、

自分自身の宝物ですね。