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> 2021年 > 2月 > 6日

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分からないときは楽譜を見よう

レッスンでよくある光景で

弾いている途中で不安になると

私の顔色を見る。

演奏が終わった瞬間に

私の顔色を見る。

ちょっと分からなくなると、

遠くを見ながら音を探し始める・・・

 

なんとなく気持ちは分かるけれど、

そんなときに必ず言うのは

私の顔には音符は書いてないよ~

困ったときは楽譜を見ようね。

です。

 

すぐ顔色を見る習慣がある子の

演奏を聞くときは、

後ろの方に座って聞くようにします。

 

まさか、後ろを振り返ってまで

顔色を見ることはありませんからね。。。

 

ピアノを舞台で演奏するときの

孤独感といったら

それこそ恐怖に近いものがあるかもしれません。

 

広い舞台に一人だけ。

 

スポットライトを浴びて

右側にお客さんの視線を感じ、

ホールの空気感で

お客さんが集中して聞いてくれているか、

飽きてしまっているか・・・

なんとなく分かるようになってくると、

怖く感じられることがあります。

そこで失敗したり、

間違えて、頭が真っ白になってしまって

止まってしまったり、

心臓はドキドキするし、

だけど、誰も助けにはきてくれないし、

なんとかしなくちゃいけない。。。

そんなときに

キョロキョロして客席にいる

お母さんを探すわけにはいかないですよね。

後ろを振り返って先生に助けを求めることもできません。

 

だから、普段のレッスンでも

まずは一回、何があっても最後まで

演奏してもらいます。

 

本番が近くなってくると、

舞台で演奏していることを想定して

暗譜で演奏しますが、

普段のレッスンでは楽譜は見ながら演奏します。

注意深く楽譜を見ながら演奏することは

とても大事です。

暗譜をしよう!というと

嫌がるのに、

楽譜って見ているようで

細かいところまでは見えていないことも多いのです。

これは不思議ですが、

レッスンで指摘されて初めて見えた!?

というような記号や楽語などがけっこうあります。

 

えっ?そんなこと書いてあったの???

 

どうして今まで見えなかったんだろう?

というような現象はよくあります。

 

常に楽譜に書いてあることを確認しながら

練習するといいでしょう。

先生やお母さんの顔色を見て

自分の演奏を判断するのではなく、

自分の耳で聞いて分かるようにならなくてはいけませんね。

 

最近、楽譜は地図に例えられるなと思いました。

演奏は車の運転に例えられます。

 

ある一定の速度で運転するには

たとえ初めて行くような場所でも、

だいたいの道のりをイメージしますね。

曲がり角なども前もって

心づもりをしていないと、

急に曲がれないし、

標識の意味を知っていないと

危険なこともあります。

 

演奏も似ています。

一定のテンポで弾きながら

次の音も見なければいけないし、

急に強弱の記号を見ても

対応できないので、

前もってどこから強弱の記号があるのか

把握している必要があります。

楽語の意味が分からないと

音楽に合った音色を作ることができません。

慣れてくれば地図を見なくても運転できるようになり、

安全に目的地に着くことができます。

今走っている道に十分注意を配りながらも、

次の道順を考えて、

それでハンドルの操作、

足でアクセルやブレーキ

スピードの調節など

一度にたくさんのことをやります。

 

運転をイメージできると、

楽譜を見るときも、どういう流れで

楽譜を見ると良いかが分かりますね。

道が分からなければ、地図を確認するように、

演奏中に分からないことがあれば、

必ず楽譜を確認しましょう。

 

舞台で演奏する時には

必ず何か起こります。

そんなときにどうやって解決したら良いのか演奏しながら考えることもあります。

 

ピアノってただ弾いているように見えますが、

実はいろいろなことを同時にやっているんですね。

問題解決力も育ちますね。

 

 

楽譜をよく見るってどういうこと?

「楽譜をよく見なさい」

これは私が先生に言われて

一番困った言葉でした。

 

楽譜から音楽的な事が読み取れないのが

一番の悩みでした・・・

 

音符は正しく読めているはずだし、

楽譜に書いてある音符通りに弾いているし、

リズムも合っている。

シャープやフラットなどの臨時記号も合ってる。

強弱や、速度記号も見てるし、

調性も確認した

これ以上、どこをどうやって見たらいいんだろう????

 

本当に分からなくて、

私は感性が無いんだな・・・・と

限界でした。

 

なんとなく雰囲気だけで

がんばっていたような気がします。

 

一番欠けていたのは、

なぜ、そこに、その記号があるのか???

自分で考えることでした。

当時の先生も

フォルテで弾きなさい、

ピアノで弾きなさい、

 

そこに、なぜフォルテなのか・・・

という説明はしてくれません。

ただ大きい音、小さい音、

これでは音楽的なことが理解できないのも

無理もありません。

 

ただ言われたからやる、

では、記号を読み取っても同じことです。

速度記号のアレグロを見て、

速くだな、と思うだけでは

音楽的にはなりません。

 

どのくらいの速さか、

メトロノームの数字が書いてあるからといって、

最初から最後まで同じテンポというわけにもいきませんが、

どのくらいの速さがこのメロディーにはちょうど良いのか?

この音楽はどんな状況を表しているんだろう?

具体的にイメージを膨らませる必要があります。

 

そのイメージに正解・不正解はありません。

楽譜からはそのイメージを読み取ることが大事です。

ですから楽譜に書かれている言葉や記号は

どんな小さなものでも見落とさずに

丁寧に見ると、

そこにはたくさんのヒントが詰まっていることが分かるでしょう。

 

スラーの扱い方が変わるだけで、

言葉で例えると、

アクセントが変わることと同じです。

地方によって方言というか、

同じ単語でもアクセントが変わると、

違和感がありますよね。

音楽でもそういうことが起こります。

普通ブレスをしないような単語の途中で

区切ってしまうと、

言葉の意味が伝わらないことがあるように、

音楽も意味合いが変わってくることがあります。

 

音が跳躍している部分では

エネルギーを乗せてあげるようなイメージで演奏すると、

跳躍の意味が伝わります。

 

楽譜の読み取りにはいくつかコツがあります。

 

私は全くそういったコツを知らずにいたので、

音符は、ただ音の羅列になっていて、

メリハリの無い、

つまらない音楽になっていました。

 

しかし、楽譜の読み取りのコツを知ると、

練習することが楽しくなります。

どうやったらイメージ通りに音色を出せるか?

練習とは、この部分が一番大事だからです。

指が動いたり、

難しい箇所が弾けるようになることも練習ですが、

一番ピアノを弾いていて楽しいのは、

この音色を作るところです。

だから、譜読みは早く終わらせてほしいのです。

一番楽しい時間が待っているからです。

譜読みができて終わりではなく、

譜読みが終わってからが始まりです。

 

音色を作るためにテクニックもあるので、

自分で調べられる記号や

楽語などはどんどん自分から調べましょう。

今はインターネットでなんでも簡単に調べられますが、

私は一冊本をピアノの側に置いておくことをおすすめします。

インターネットはなんでも調べられますが、

起動するまでの時間がもったいない。

本ならパッと開いてすぐ調べられます。

それに、せっかく集中しているのに、

他の作業をすると、

集中が途切れます。

 

今はたくさん本も出版されているので、

一冊用意しましょう。

音楽用の辞典もあると良いですね。

 

学校での外国語といえば英語だけですが、

音楽をやっていると

イタリア語、ドイツ語、フランス語が

必要になってきます。

自然と外国語にも興味が沸いてくることでしょう。

楽語を調べていると、

英語に似ている部分などを発見したり、

面白いですよ。