トップへ戻る

> 2021年 > 3月 > 2日

月別アーカイブ

月別アーカイブ

暗譜はどうやってするの?

昨日は、暗譜がどうして大事なのかをお話しました。

今日は、暗譜といっても、どうやって暗譜をしたらいいのか具体的な方法についてお話します。

 

8小節しかないような曲のように短い場合は、暗譜をしよう!と意識しなくても、練習してる間に覚えてしまうと思います。

楽譜は開いていても、見ていないこともありますね。いつのまにか暗譜してしまっています。

自分では楽譜を見なくても大丈夫と思ったとき、楽譜をどこか、すぐには取れないような場所に置いて、もう一度弾いてみてください。

 

①目の前に、ありありと楽譜の映像がイメージできますか?

 

②楽譜を置いているときのように安心感をもって演奏できていますか?

 

③途中からでも自信をもって弾けますか?

 

全ての問いにyesの場合は、

おめでとうございます!

完全に暗譜ができています。

その調子でこれからも練習してください。

 

ひとつでも当てはまる場合は、

暗譜をするために、もう一工夫が必要です。

 

楽譜をはっきりとイメージできるかどうかは、曲が長くなってくると非常に重要です。もし細かい音があやふやでも、このページのあの辺りの部分、と思うだけでも記憶を呼び戻すヒントになります。

 

そのイメージがあれば、たとえ目の前に楽譜が無くても安心できますよね。

不思議なもので、普段はたいしてしっかり楽譜を見ていなかったのに、目の前に無いと思うだけで、妙にドキドキしてしまったりするのです。

以前、ピアノの演奏は車の運転に似ていると、記事にしたことがありましたが、

地図を見ながら運転することイメージすると分かりやすいのではないでしょうか?

 

楽譜を地図に例えています。

 

何度も何度も通っている道は安心して運転できますよね。曲がり角にどんな建物があるのか、何個目の信号を曲がるのか、道を教えてあげるときにも、目印になるものをいくつか挙げながら教えてあげると思います。

 

そして、指先だけで覚えないために重要なのは、途中からでも自信をもって弾けるかどうかです。

メロディーは記憶に残りやすいので、途中からでも弾けると思います。しかし、左手の伴奏部分や、和音の内声部は動きも地味なのではっきりと認識しづらいものです。

 

途中から弾くのが難しいのは、こういう細かい内部の音を意識していないと分からなくなるからです。

しかし本番でハプニングが起こるのは、こういう内部の音があやふやになってしまい、そこが変わってしまうと、和音の種類が変わってしまうこともあり、だけど、どこが間違っているのか気がつきにくく、修正がさらに難しくなります。

 

ですから、楽譜をはずして練習してみたときに、やっぱり分からなくなる部分がでてきたときは、一音一音ドレミで歌えるほど、分解して覚える必要があります。

 

もし、その前の部分で思い出せないほどのハプニングがあっても、キリの良いところで覚えた音、途中から弾けるように対策をしておきます。

すると、気持ち的にも、

もし分からなくなっても、そこの部分からできるから大丈夫と、安心することができます。

 

本当はそうならないように、全てドレミではっきり歌えるほどが理想的です。

 

全てのドレミが楽譜を見ずに歌えるのが理想的と言いましたが、これもチャレンジしてみる価値は多いにあります。

 

私がよくやった方法としては、

例えば5分かかる曲を暗譜しようとしているとします。

 

歩きながら頭のなかで音楽を演奏します。ちょうど5分で目的地に着くような距離だとして、目的地に着くまでに一曲頭のなかで演奏できたら暗譜できています。

 

もし暗譜があやふやだと、目的地に着くまでにいつのまにか違うことを考えてしまったり、同じところをグルグルと繰り返しているだけだったり、全然違う曲に変わってしまっていたりするのです。

 

完全に暗譜できている場合は、最後まで頭のなかで演奏できています。

 

電車に乗っているときもそうです。

次の駅まで12分あるとしたら、ちょうど12分ぐらいの曲を頭のなかで演奏してみます。

 

そうやってコンサート前は暗譜のための練習をしていました。

指を動かさないと最後までいかない場合もあったり、分からなくなってしまうこともありました。

指を動かさずに最後まで歌えると、かなり自信をもって舞台で演奏できます。

歩きながらだと、歩くテンポに合わせることもできるので、学校の帰り道、一人で歩いているときなど、頭のなかでは練習中の曲が流れていることもありました。

 

暗譜の方法と聞いて、ピアノの前に座った練習を思い浮かべる方も多いと思いますが、歩きながらとか、電車に乗りながらとかの練習方法は意外でしたか?

 

以前は一年生の子どもでも、

時間がなかったから練習できなかったと言う子もいました。

 

本当にそうでしょうか?

ピアノの前に座らなくても出来る練習方法はたくさんあります。

お風呂で浴槽のへりのところで指の形を確認しながら歌ってみたり、

 

ご飯を待っている間にテーブルで指のよい形を確認してみたり。

 

歩きながら歌ってみたり、

 

いくらでも方法はあります。

 

残念ながら、時間がなくて練習できませんとわざわざ報告してくる子は、時間を見つけることが出来ないので、長く続かないことが多いです。

 

一年生が、練習する時間が取れないとなると、学年が上がって内容も難しくなって、それ以上に時間を見つけることが出来なくなります。

 

なんとか弾けるようになりたい!という強い気持ちが必要です。

 

その気持ちが、もし途中で分からなくなっても、止まらずになんとか弾き続ける強い気持ちにも繋がっていきます。

 

ピアノは孤独な作業です。

途中で何かあっても助けてもらえないので、なんとか最後まで一人でやりきれるようにしなくてはなりません。

日頃の練習からいろんな場面を想定して、安心して暗譜が出来るように準備をしていきましょう。

 

今日は、暗譜、暗譜と音を中心に覚えることばかりをお話しましたが、音を間違えることよりも、大事なことがあります。

暗譜に自信をもつからできることですが、音を間違えるよりも大切なことを忘れないでほしいので、次回は音を間違えることよりも大切なことについてお話しようと思います。

 

では!