持久力も必要
子どもの頃の発表会で、
ソナチネやソナタを1楽章から3楽章まで弾いた経験のある方はどのくらいいるのでしょうか?
私は一度も弾いたことがありませんでした。
大学院の試験で初めて弾いたぐらいです。
その後は様々なコンサートを経験してきましたが、ソナタを全楽章弾いたのはリサイタルぐらいです。
ソナタを全曲弾くと、最低でも20分はかかるので、出演者が多いコンサートでは弾けませんし、幅広い年代やクラシックにあまり馴染みの無いお客様が多いコンサートでは、長い曲は嫌煙されます。
今回の発表会で持ち時間15分というのは、通常の発表会からすると、そうとう長い時間になります。
譜読みも済んで、そろそろ音楽的な仕上げをしていく時期なのですが、
ここにきて、集中力を持続させるのと同時に、筋力の持久力も必要だと改めて気づかされました。
短い曲を集中する力はだいぶ付いて、演奏にも適度な緊張感と集中力がついてきました。
5分ぐらいの曲を最後まで弾いてもらったら、だんだん体力的に疲れているのかな?という感じ。
聞いてみると、やっぱり疲れてきて、指の動きが鈍くなってきたようでした。
そっかー。
それを聞いて思い出したのは、
自分が子どもの頃、エチュード(練習曲)を弾いていて、腕が疲れてきたけれど、途中でやめるわけにもいかず、腕が固くなりながらも弾いていた記憶です。
特にエチュードではひとつのテクニックに特化している曲なので、同じような動きを繰り返すために、腕も疲れやすくなります。
最初は疲れやすくても、練習しているうちに、力を抜く部分のコツが分かってきて、最後まで楽に弾けるようになっていきます。
マラソンでも同じですよね。
普段長距離を走っていなければ、最初は足が痛くなったり、呼吸が苦しく、途中でやめたくなります。しかし、何回かやっていくうちに筋肉痛もならなくなったり、なんとか最後まで走りきれるようになりますよね。
走るための筋力が必要なように、
ピアノにも長時間演奏に耐えるための筋力が必要です。
そのことを忘れていました。
一昨年ぐらいから、ハノンにも力をいれていて、曲の練習を始める前の基礎練習を習慣化できるようにしていますが、そこに持久力のための練習をする必要がでてきました。
どうするかというと、
課題をまとめて弾き続けてもらいます。
例えば、私は久しぶりにピアノの練習を入念にしたいときは、ハノンの1番から20番までノンストップで続けて弾きます。最初は一音一音確実にゆっくり、指の動きを確認しながら弾き、少しずつテンポをあげていきます。そうはいっても、あまり早すぎても意味がないので、適度なテンポです。
そしてスケールを全調
それからバッハの2声と3声を半分ぐらいずつ弾いて、
ショパンのエチュードといった順番です。
少しずつ難易度をあげて、ゆっくり指を温める感覚です。
そこまでで一時間弱。
そこから練習を始めます。
本番当日は、朝早くから準備をして、会場へ移動し、リハーサルも慌ただしい中で、お友だちとの時間も楽しくなりすぎて騒いでしまったり、自分の順番が来るまでじっと待っていることも多く、
正直、自分の出番が来るまでに疲れてしまうことも考えられます。
最高のコンディションとタイミングで出番が来ればそれに越したことはありませんが、そういうことは希だと思っているぐらいでちょうど良いのかもしれません。
だから疲れているときにどのくらいの力が出せるかというのも、練習の時に考えておくと良いですね。
自分が疲れているときにどんなハプニングが想定されるのか?そんなときどう対処すればいいのか、
100回の練習より、1回の本番。
といわれるのは、
ピアノが上達するのはもちろんですが、
臨機応変な判断力や決断力なども必要になるからですね。もし持久力がなかったら、的確な判断や決断はできませんね。
ますますピアノって奥が深いと感じます。
2021年03月15日(月) │ ブログ