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表現は大袈裟に!

広い舞台の真ん中で

動きも小さく、声も小さかったら

客席からは何をしているのか

よく見えないし、分かりませんよね。

 

ピアノも同じです。

狭い部屋だったらよく聞こえるけれど、

舞台で同じような演奏しても

ピアノの音はするけれど

よく分からない演奏になってしまいます。

 

本番が控えている場合は、

どのくらいの広さの空間で演奏するのかも想像しながら練習するといいでしょう。

強弱の幅もいつもよりも3倍ぐらいでちょうど良いかもしれません。

 

以前、夏休みの特別レッスンでおともだちの演奏を聴き合う時間を作りました。

演奏している本人たちはピアノとフォルテの差をつけていたつもりでしたが、みんなにそれぞれに聞いてみると、あまり差がなかったという一致した意見でした。

 

面白いことに、

本人は相当変化をつけているつもり。

というのもほぼ全員が言っていたことでした。

それでようやく、いつも先生がもっともっと!!!!と言っている意味が分かったと、驚いているようでした。

 

もちろん表現は強弱だけでなく、

他にもあります。

だんだんゆっくりしたり、

たっぷり音を延ばしたり、

少し咳き込んだように早くしたり、

記号や楽語によって指示があります。

それも自分が思っているよりも大袈裟にやってみましょう。

 

俳優さんが舞台で演技するときは

いつもの話し方よりも大きく口を動かしてはっきりしゃべるようにしていたり、

表情も遠くからでも分かるように

何倍も大袈裟にやりますよね。

そういうイメージです。

 

本番では緊張してしまって

萎縮してしまうので、

普段大袈裟に練習していて本番ではちょうど良いぐらいです。

 

せっかく聞いてもらうなら、印象に残る演奏がしたいですよね。

表現しよう!というひたむきな姿勢は、やはり音に気持ちが乗って、良い緊張感のなか、聴く人に感動を与える演奏になります。

 

その逆もあるということですね。

 

あと一ヶ月とちょっと、

まだまだ上達します。

集中力を高めて、気合いを入れていきましょう。

 

たまには音の無い時間も

朝起きてから寝るまで間に、

私たちはいったいどれだけの音を聞いているでしょうか?

 

起きてすぐ、ラジオやテレビをつけますか?

通勤や通学の間もイヤホンで何か聞いてますか?

イヤホンをつけていなくても、

外の車の走る音、

電車の音、

歩く音、

話し声、

アナウンスの声、スピーカーから聞こえてくる音、

お店に行けば何かしらの音楽が流れていて、

ずーっと音のなかにいます。

最近ではスマホから聞こえてくる

電気を通した音がほとんどではないでしょうか?

 

時には耳を休ませてあげる意味でも、

静かな空間で、静かな時間を過ごしたいなと感じるときがあります。

 

しかし、これがなかなか難しいのです。

テレビやラジオを消しても、

時計の秒針や

冷蔵庫のジーっという電子音、

耳は意識しなければキャッチしませんが、

脳のなかには届いているような気がしています。

 

意識して綺麗な音や、

気持ちの良い音を聞くようにしたいですね。

 

これからの時代は

生の音を聴くことがとても贅沢になってくるのでしょうね。

 

あこがれのペダル

ピアノを弾くときに、足元にあるペダル、

気になっていませんか?

何に使うのかなー?

踏んでみると、音がどう変わるのかな?

ピアノによっては2本、3本と数も違うし。どうやって使うのかな?

 

おそらく、ためしに踏んでみたことある人も多いと思います。

 

よく使うのは右側のペダルで、

音がビヨーンと伸びる???

なんと言えば良いのでしょう?

このペダルを踏むと、弦に当たって普段は響きを止めているダンパーを弦から離すことで、響きを持続させています。

 

んー分かりにくいかもしれません。

 

ちなみに、左側にあるペダルは

ソフトペダルと呼び、

音をソフトに、少し弱くします。

ひとつの音を出すのに、中・高音域は3本の弦が張られていて、このペダルを踏むと、鍵盤が少し移動し、2本だけ打鍵できるようになります。

 

ピアノは精密機械のように、細かい部品をたくさん使って繊細な音色を出す仕組みです。

 

それで、右側のペダル、ダンパーペダルですが、このペダルを使って弾くことにあこがれをもっている方も多いと思います。

 

このペダルの使い方は奥が深く、それだけで本が何冊も書けそうなほどです。

ペダルを踏む、こと自体は全く難しくなく、誰にでも出来ますが、音をよく聴きながら使わないと、逆効果になってしまい、曲が台無しになってしまう、非常に難しい機能のひとつです。

 

早く使ってみたい気持ちは十分分かりますが、手と耳がうまく連動できないうちに使い始めるのは危険なので、使いはじめは慎重に見極めています。

 

音をきれいに響かせるための機能なので、ペダルを使うことで、どう響いているのかを聞き分けられなければ使えません。

まずは出したい音がしっかり出ているかを聞いてから、次の瞬間に踏む、というのが基本的な使い方です。

文章にすると長いですが、これを一瞬で判断して踏みます。このタイミングを自分のものにするのがまず第一段階です。

ちょっとでも早いと響きは間が抜けたような感じになり、打鍵の次の瞬間にタイミングよく踏めると、音が遠くまできれいに伸びるような響きを感じられます。

あまりにも遅くなってしまうと、ペダルの効果はなくなってしまいます。

 

というように、曲の流れに乗りながら、音を聞いてペダルを踏むのはかなりハイレベルになります。

 

もちろん、間違った音を弾いてペダルを使うと、ひどい響きになってしまうので、音を探しながら弾いているような状態の時には使わない方が良いでしょう。

 

早くペダルを使ってみたいですね。

そのためにも一日も早く譜読みを終えて、自分の音をよく聴きながら演奏できるように頑張りましょう!

そんなこと起こるわけがない???

まだまだ先のように思っていた発表会が、

いよいよ迫ってきたぞ、と

現実味を帯びてきました。

のんびり構えていたらあっという間に本番になりますよ!

ということで、

おそらくあまり練習してないだろうと思われる曲を弾いてもらっています。

今回は、持ち時間15分を自由にプログラムするという、ある意味冒険的な発表会になります。

あまり練習していないだろうと言うのは、他に譜読みをしている曲もあり、

以前弾いたことがある曲をプログラムにいれようとしている場合は、

弾けてたから大丈夫だろうと、ちょっと安心している曲のことです。

 

案の定・・・

前は弾けてたのに・・・・ちょっと忘れてる・・・状態

弾き終わってから、

発表会が今日じゃなくて良かった。

まだ時間はあるから、一日一回でも良いから弾いてね。と、

何人かに言いました。

 

そう、ピアノって

前は弾けてたから大丈夫だろう

が通じないのです。

弾いていないと忘れてしまう。

あんなに頑張って練習したのに・・・・ちょっと悔しい気持ちになります。

悔しい気持ちになってますか???

 

でも、大丈夫です。

全く初めて弾くわけではないので、

しばらく弾いていると思い出してきます。

しっかり楽譜を見直して、レッスンで言われたことなど思い出しましょう。

 

普段のレッスンで合格でも、

本番に向けての練習は違うので、新たに課題がでるかもしれません。

リズム練習や、部分練習、

緊張しても自分をコントロールできるような練習が必要だからです。

 

緊張すると、思っているよりも速く指が動いてしまうよ。

客席の音とかが気になることがあるよ。

ピアノの弾き具合とか、ペダルの感じが変わるよ。

 

いろいろ舞台で想定される状況を説明していても、

ポカーンとしているか、

今までそういうことはなかったとか、

教室のピアノだと、ペダルがうまくいかないとか、

 

そんなことあるわけない

と、心の片隅で思っているようです。

無いのが一番だけど、

私の経験上、思っても見なかったことが起こるのが本番です。

ステージマジックとでもいうのでしょうか?

本番でも楽しく弾いてほしいから

そのためにリズム練習や部分練習、

録音して聞いてみたりしてほしいのです。

 

ここ数年の学校などの様子を見ていると、

ほどほどに頑張るぐらいでちょうど良いという印象を受けます。

部活もやりすぎはよくない、

勝ち負けにこだわりすぎるのはよくない、

みんなで楽しくできればいいのでは?

という風潮ですね。

たしかにそういう一面もあります。

が、

もうちょっと頑張れば良いのにな、と思うこともあります。

ちょっと難しく感じると頑張るのをやめてしまうのです。挑戦しなくなります。

ちょっと難しいけれど、そこを乗り越えてやってみたら出来た!

本気で頑張ることを知ってほしいのです。そうすると無理だと思えたこともできる!

それが本当の自信に繋がります。

 

難しそうだから、いつまでも取り組まずにできるところまででやめてしまう子もいます。

難しいとは分かっているけれど、

挑戦させてみたら、意外と出来るということはレッスンで何回もあります。

 

本気で挑戦させてあげる機会が無いのです。ちょっと厳しいと思うかもしれませんが、そこで歯を食いしばってこらえて頑張ってみてください。

そうやって頑張ってできるようになっていきます。

 

本番での起こりうる状況を想定することは、もしかしたら転ばぬ先の杖になっているかもしれません。

 

自分が経験して、

そこから学ぶべきことかもしれません。

教える側としては

そのあたりの加減が難しいですね。

 

このままだと、おそらく本番では

あーなるだろうと、だいたいの予想がついてしまうので、なるべく回避させてあげたいと思ってしまいます。

 

 

間違えずに弾きたいけれど・・・

一生懸命になればなるほど

間違えないように弾きたい!と

思うのは自然なことです。

 

せっかく練習してきたからには

完璧に弾きたいですよね。

そのためにも暗譜も頑張っているし。

 

間違えないで弾けるようにすることは、

練習の成果を自分で感じられます。

 

しかし、音楽的な面を考えたときに、

ただ音を間違えずに弾けただけでは

その曲を十分に表現できたとは言えません。

私が子どもの頃に陥った偏った演奏です。

 

その曲らしく演奏する。

お客さんにどう聞いてほしいのかを考えながら弾く。

強弱などの記号の必然性を理解できているか?

 

一番大事なところが抜けていました。

 

レッスンでも、

今、何を考えながら弾いていた?と質問すると、

???なにも考えてなかった・・・とか、

間違えないように弾こうと思ってた。とか

弾くことに一生懸命になりすぎていることがあります。

そうすると、不思議なことに、

余計にミスタッチも多くなります。

 

曲に合ったテンポで弾くことで、

逆に弾きやすくなり、ミスが減ることもあります。

曲の雰囲気を考えて弾くと、

自然と歌うことになり、機械的だったフレーズも音楽的になって、無理の無い速さになり、無理無く弾けるようになるからです。呼吸も自然になるので聞いている人も聞きやすくなります。

 

個性を出そうと思わなくても、

演奏する人の呼吸は十人十色ですから

その人なりに歌うだけで個性がでます。

素直に音楽を表現するだけで良いのです。

無理に解釈をする必要もありません。

そこは楽譜の読み方にも影響しますので、

楽譜からどうやって音楽を読み解くか・・・謎解きのようなコツはたしかにあるので、それをレッスンでは一緒に解明していきます。

 

その作業が一番楽しい時間なので、

できるだけ早く譜読みを終えてほしいのです。

もしかしたら、譜読みを終えて合格と思っていませんか?

譜読みが終わって初めて、音楽のレッスンがスタートするのです。

本番までやることはたくさんあります。

いかに早く譜読みを終わらせるかがポイントです。

音楽が体に染み込んで、自分の言葉になるまで染み込ませます。

それにはある程度の時間がかかります。

 

そうなって初めて間違えることを気にせずに音楽に集中できるようになってきます。

良い意味での緊張感のなかで演奏できるようになるでしょう。

 

楽譜を読み取る力は、一番大事なスキルです。私もとても苦労しました。

長い時間をかけて完成された楽譜には、

よく見ると細かい工夫がなされていて、

よく考えたなぁーと関心するポイントがたくさんあります。

実に良くできています。

そんな楽譜の仕組みも解説していきたいですね。